書評 - エンジニアのための時間管理術

最初に評価だけ言ってしまうとかなりの良書です。

この本は、割り込みが入って作業が進まない!と思ってる貴方に最適な本です。まじで。

私自身は、マネージャ時代割り込みが入りまくりながらも試行錯誤し、何とかする方法を模索してましたが、その方法の全てがこの本一冊に網羅されています。

本書の言葉を引用するなら、

本書を読む時間がないと考える人にこそ必要な本です。

まさしくその通りです。


章タイトルを列挙してみましょう。

言葉だけではピンと来ない部分もあるかもしれませんが、どの章も非常に有益な内容です。

1章 タイムマネジメントの原則
2章 集中と割り込み
3章 ルーチン
4章 サイクルシステム
5章 サイクルシステム:作業リストとスケジュール
6章 サイクルシステム:カレンダーの管理
7章 サイクルシステム:人生の目標
8章 優先順位
9章 ストレスの管理
10章 電子メールの管理
11章 時間の浪費
12章 文書化
13章 自動化

割り込みへの対処の仕方、日頃の作業リストの管理の仕方、人生スケジュールの管理の仕方、ストレスの管理等。

他にも12章、13章の文書化、自動化等は時間管理術とは直接的には関係ないとは言え、エンジニアには必要な知識だろう。


9章のストレスの管理には、休暇に関してこのようなことが書かれています。

長期休暇には、ビジネス上のメリットがもう1つあります。それは、あなたの代理業務やドキュメントに欠けている部分を判断するのに役立つことです。
優秀なSAは、自分が明日トラックに轢かれたとしても、会社の業務に支障があってはならないことを心得ています。


また、時間には直接的には関係なくなるが、このコラムも良い感じだ。

[Feathers]電子メールフォルダ
誰かに褒められたとき、お礼の電子メールやお祝いの電子メールを受け取ったら、それらをこのフォルダへ移動する。
気の滅入る日は、これらのメッセージを読んで自分を元気付ける。

面白い発想だと思う。私も実践してみようと思う。


そして、最後に「おわりに」の部分でとてもタメになることが書かれている。

エンジニアもエンジニアの前に人間であると言う事を念頭に読んで欲しい。

「新しい」自由時間をどうするか
(中略・・・注:本書に書かれている内容を実践すれば1日に1時間ぐらいの自由時間が出来るだろうと言う前提)
・週に40時間働いたら家に帰る
会社には、あなたが受けているものに足る忠誠を尽くす。毎日8時間働いたら、あるいは週に40時間働いたら、家に帰ろう。
・大切な相手と過ごす時間を増やす
相手に毎日12秒間キスする(短いキスを12回ではなく、実際に12まで数える長いキスを1回。その違いにびっくりするだろう)。あなたがどれだけ感謝しているかを伝えよう。夜のデート計画しよう。PDAに「ランダム」設定がある場合は、毎日「愛している」電話をランダムにスケジュールしよう(そして、気ぜわしくならないよう、少なくとも15分はそのために確保しよう)。
・子供と過ごす時間を増やす
子供がいる人は、テレビを観る以外のことをして子供と過ごそう。何をしたらいいかわからない?子供たちに聞いてみよう。それでもわからなければ、ギークが答えを求めてやってくる場所へ行ってみよう。Googleで「子供とできること 無料 [あなたが住んでいる場所の名前]」を検索する。子供がいない人は、自分が子供だった頃にいてほしかった叔母や叔父になろう。
・両親やあなたの人生において重要な人に電話する
定期的に電話するのを忘れないようにスケジュールを組み、会話にたっぷり1時間は確保しておこう。両親はそのことに感謝するだろうし、自分が親になったときにそのありがたみがわかるだろう。

人間関係を「12秒」「15分」「1時間」といった具体的な数値やgoogleの使い方等、エンジニアらしい実践方法が書かれており、理解しやすいのではないかと思う。


世の「時間がない」と嘆いているエンジニア達には是非本書を読んで欲しい。

そして、読んで実践した上でもなお時間がないと言うのなら・・・そんな会社は辞めてしまえ!